なぜ今、農業DAOなのか?〜専業農家で育った俺が見つめる現実と未来〜

🌍 地域と未来経済

私は香川県三豊市高瀬町の出身で、現在は同市の三野町に住んでいます。専業農家で生まれ育ったということもあり、農業の大変さと現実は身をもって知っています。

そして、特に最近では大きなニュースとなった「米問題」に心を痛める日々が続いています。なぜ日本の農業は、こんな状況に陥ってしまったのでしょうか。そもそも、米は作る量を制限されてきたはずです。減反政策によって、作付面積を調整してきました。それなのに、なぜ今になって米の在庫や価格高騰が問題になっているのか、ということです。

その上、米の生産には多くの農機具や設備が必要です。トラクター、田植え機、コンバイン、乾燥機…これらの設備投資は農家にとって大きな負担となり、ただでさえ厳しい農家経営をさらに困難にしています。それでも、たくさんの農家さんは、文句も言わず、ひたすら頑張ってくれていますが、これでいいのでしょうか?どうにかならないのでしょうか…。

問題は米だけではありません。野菜や果物も同じです。浮き彫りになるのは「需要と供給が成立していない」という現実です。農家さんは、安全なものを作って消費者に届けたいと思っています。しかし、それだけでは経営が成り立ちません。結局、見栄えやコスト、食べやすさなどを優先した農作物を作らざるを得ないのが現状です。

一方で、消費者もわがままですから「安全で美味しいものを食べたい」と言います。でも、その想いと実際の購買行動には、しばしばギャップがあります。スーパーで並んだ商品を前にすると、やはり価格と見た目で選んでしまう。そのことを、私たちも理解しています。だからこそ、この構造的な問題を解決する新しい仕組みが必要だと感じているのです。

そんな現状の中、「本来の農業」とは異なる現実に、なんとか対峙したいと思うようになりました。そこで出会ったのが、Web3.0やDAOという概念です。「農業DAO」という考え方も登場してきました。私は、この新しい技術や仕組みを活用して、「作る人も食べる人も」納得できる環境を作れるのではないかと考えています。

従来の流通システムでは、生産者と消費者の間に多くの中間業者が入ります。それぞれが利益を得るため、生産者が受け取る対価は限られ、消費者が支払う価格は高くなります。でも、新しい技術を使えば、もっと直接的で透明性の高い取引ができるかもしれません。生産者は適正な対価を受け取り、消費者は安心できる食材を適正な価格で購入できる。そんな仕組みが作れるのではないでしょうか。

そんな想いを背景に、これから農業や地域の現実、Web3やDAOの動向について、調査や体験を紹介しながら、言葉にして発信していきたいと思います。同じように「農業と地域を考え直したい」と考える方の気づきのきっかけになれたら…。そんな思いで、ここから一歩を歩み始めます。

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